市民球場再生計画

9月21日
元の広島市民球場解体問題で「住民投票実施」の是非とともに「球場解体差し止め」を求めた訴訟を起こしていた市民グループ「旧広島市民球場の歴史と未来を守る会」では21日、広島高裁を訪ね同訴訟の控訴審判決を受けた。

広島高裁の示した”回答”は広島地裁に続いてこの市民グループの請求棄却だった。

上原裕之裁判長は判決理由の中で市民球場が市民にとっての経済的、精神的な戦後復興のシンボルである、という主張は認めたうえで「球場が存在しなければ(市民の)人格的生存に不可欠な失われるとまでは認められない」とした。

多くの市民、特に年長者やカープファン、市民球場を思い出の地とする世代を超えた人々らが大切にしてきた思いや今後の広島を語っていく上での希望は、裁判の場では伝えきれなかった。

この市民グループでは、こうした現状を踏まえ、すでに昨日、住民投票請求を却下した市の処分取り消しを求めた訴訟で広島高裁に控訴している。

なお、市民球場解体工事は現在、外野スタンドで言うとグラウンド側からバックスクリーン手前まで進んでいる。

★旧広島市民球場の歴史と未来を守る会、土屋時子さんのコメント

ひとつの区切り。

広島高等裁判所において広島市民球場の解体工事差し止めを求める「建造物取壊禁止請求控訴事件」の判決があり、原告の主張はいずれも「棄却」という残念な結果となりました。

広島市民のひとりとして、また広島市民の気持ちを代弁して市民の財産である広島市民球場をなんとか守りたいと法廷の場で広島市と争ってきましたが、行政と司法の「非常識の壁」を崩すことはできませんでした。まことに慚愧の念にたえません。

広島市が市民球場跡地計画案の応募提案のなかから優秀案の2案を公表した2007年の夏、そのあまりにもお粗末なプランに危機感を抱いた市民から計画案の再考、そして市民球場解体凍結の声が上がってから4年あまり。市民の声はことごとく踏みにじられ、市議会の良識はくつがえされ、とうとう法的な手続きにおいても正義が示されることはありませんでした。

すでに市民球場の解体が進んでいるいま、最後に残されたのは「神の審判」のみとなってしまいました。

60有余年前、1個の原子爆弾によって広島を破壊したアメリカのように、広島市は市民の財産を理不尽に破壊した非人道的な組織として、いずれ断罪されることになるでしょう。

あまたの広島市民の怒りの声、市議会に残された議事録、そして裁判の過程で暴露された広島市の非民主的な姿勢。これらは行政にあるまじき記録として残り、将来にわたって広島市は市民によって、いや世界各国から告発しつづけられるにちがいありません。

原爆慰霊碑の石碑に刻まれた懺悔のことば、「安らかにお眠りください あやまちは繰り返しません」の碑文、あれと同じことばを広島市はまたあらたな石碑に刻まなくてはならなくなりました。もはやとりかえしのつかない愚行に愚行を重ねた責任者として。

市民球場の解体が事実となってしまった以上、法的な手続きによって解体にストップをかけるという目的は無効となりました。そこで今回の判決を受けて、控訴することは断念いたします。

あとは、このような広島市の横暴をなぜ止めることができなかったのか、私たち広島市民ひとりひとりが、あらためてふりかえってみるべきなのでしょう。

これまで債権者として名を連ねていただいたみなさま。そしてさまざまな局面で支援いただいた多くの市民の方々、そして全国各地で今回の問題を注視し応援いただいたみなさま、ご期待にそうことができず申しわけありませんでした。そして、ありがとうございました。

なお、住民投票請求申請却下の取り消しを求める裁判の方は、昨日控訴いたしました。裁判の結果はどうなるか予断はゆるしませんが、この係争のなかで広島市の非民主的な姿がまたつぎつぎに暴かれていくことになるでしょう。

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