市民球場再生計画

9月21日
広島市「重要ではない」で訴訟へ…

旧広島市民球場の歴史と未来を守る会(永井健二会長)のメンバー7人が広島市役所を訪れ球場解体の是非を問う住民投票実施へ向けての最終的な話し合いを行ったが物別れに終わった。

このため、守る会では「秋葉市長を被告の代表としての訴訟」を起こす準備に入った。「国際平和文化都市」を掲げる政令都市で、しかも11月には「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」を開催する市の首長が訴えられる、という異例の状況は、ついに回避できない事態となった。

守る会を構成するメンバーは、一定の手順に沿って、ここまでの活動を続けてきた。

永井会長らは早くから広島市議会などに働きかけ、「球場解体の決定延期と市民と市側の対話」を求めてきたが、6月22日の市議会で「球場の8月末閉鎖と年内解体」が決定。さらに7月27日、市民との話し合いに応じない秋葉市長が「早急に解体」を定例会見で繰り返すのを受けて、8月、守る会が立ちあげられた。

守る会では8月23日、広島地裁へ「旧市民球場解体差し止め仮処分申請」を行い「球場をそのままにして、あの空間をどうしていくかもっと市民を交えて話し合うべき」と訴えた。

これに対して広島市は9月3日に同地裁であった第1回審尋(しんじん)までに「球場解体反対者は市民の10パーセント」との独自の調査結果を元に、「仮処分申請」に応じないとの「答え」を地裁に提出。

それを受け、守る会では9月8日に解体の是非を問う住民投票の署名活動に必要な「請求代表者証明書交付申請」を市に提出したが、市からは18日までに「請求却下」の返答が守る会に寄せられていた。

このため、今回の直接の話し合いとなったが、論議はかみ合わず、最後まで互いの主張は並行線のままだった。

以下、主なやりとりを列挙する。

守る会側は守、広島市市民局市民活動推進課側は市。

市・住民投票は全国的に見ても原発や在日米軍問題など、生命など市民の暮らしに重大な影響を与えるもので行うべきで安易に拡大解釈してはいけない。よってこの件は住民投票に当たらないと判断した。球場はすでに設置されているので、解体で重大な影響が出るものではない。

守・その判断の基準は?

市・住民投票は代表民主制を補完するもの。(中略)今回はそれに当たらない。

守・それは誰が判断するのか。

市・市長が判断する。条例第5条にそうある。住民投票を実施するかどうかは、条例に従って判断することになっている。考え方として「その重大な影響を及ぼす」というのがポイントだ。

守・ここに市民と市政の2003年のバックナンバーがある。ここで秋葉市長は何十億、何百億の公的支出があるものは住民投票…、と自分で書いている。今回はまさにそれ…。

市・…(沈黙)

守・重要事項かどうか、それは住民投票へ向け、市内有資格者の10分の1の署名を集める(18歳以上の市民ら約95万人)ことで問われることになる。そのためにわざわざ、高い敷居が用意してあるはず。

守・補足すると、その条例の第3条に、市民も市議会も市長もこの住民投票がしっかりと機能するよう、その責務がある、と書かれている。もう一度、聞きますが重大かどうかは誰がどう判断?

市・条例規則12条2項に、申請があった場合、第2条、第6条に合わないと認める時は申請者に補正を求めて、補正できないものについては却下、とある。

市・今回のようなものは規則の中にないが補正のしようがないので、その主旨からして却下、だ。

守・そんなこと、どこにも書いてない。勝手に解釈している。

市・補正できないからダメ。でも書いてはない…。

守・…。

守・重要事項かどうか?そちらに並んでいるみなさんも本当は気づいているハズ。重要事項に決まっている。原発1、2基分より遥かに重要!戦後65年の、平和都市広島の、何万、何十万という市民の思いが詰まっている場所ですよ。それを話し合いもなしに壊すということは何万という広島の魂を殺すことになる。

守・あの場所は広島城築城以来、400年以上に渡って広島の中心としてやってきた。広大跡地や駅前再開発、新球場周辺の未整備地、市内至る所に点在する広島市のやりっ放しとはまったく価値の違う、世界最初の原爆が上空600メートルで炸裂した場所であることをもっと考えないと…。球場跡地に広場を整備?あなた方、真夏の炎天下、そんなところに本当に行くんですか?

守・つけ加えると最初にあった球場はすでに設置されている、という理由は理由にならない。マツダスタジアムへ映ったのはプロ野球の興行だけ。今、スタジアムがどんな状況にあるか、3人は球場へ行ったことがあのか?

市・ある。

守・何回?せいぜい1、2度では?

市・(うなづく)

守・それではどういう使われ方をしているかも分からない。見ても、わかってもいないのに「球場はすでに設置された」と言わないで欲しい。市民球場で行われていた高校野球、社会人野球、少年野球の一部も行き場を失っている。市民の一般利用もマツダでは限定される。高野連が昨年12月に要望書を提出しているがいまだに回答もない。この秋、呉や福山などで高校野球秋季大会をやっているが、やってないのは広島地区だけだ。重大な影響が十分過ぎるほど出ている。

市・とにかく我々としては、「重要事項でない」と判断し条例に従って対処するしかない。

守・ここに広島市の出したチラシがある。住民投票について書いてある。市民に住民投票への呼びかけを積極的に行っている。

守・そうやって客を呼び込んで、やってきたらNO、いま流行りのサギ商法と一緒だ。ぜんぜん「市民活動推進課」になっていない。「活動推進」の名は改称した方がいい。

市・名称までは…。

守・さっきから秋葉市長の名が出ると、3人とも黙って下を向いているが何かあるのか?冒頭でもあったように市長は住民投票の必要性を市民と市政の中で説いている。そして今回の却下の判断も秋葉市長。これが終わったら、紙じゃなく直接、市長にこの話合いの中で出てきたことを伝え、我々と直接の話し合いに応じるようこれも伝えておいて欲しい。

市・…。

守・また黙って下を向く。何かあるのか?

市・(苦笑い)

守・全国的に見ても様々な住民投票が行われている。こんな門前払いはほかにも例があるのか?

市・北海道でひとつ、開発に関する案件だ。

守・たった1件…。やはり異常だ。子供条例制定への反対運動、オバマジョリティーへの監査請求、今、市議会でやっている広島五輪構想…。広島市の常識は市民の非常識だ。今に大変なことになる、ということは分かっているのでは?

このあともいろいろ意見が交わされたがエンドレスの様相を呈して、そして…。

市・そういうことなら意義申し立てや訴訟をやってもらうことになる。

この話し合いは午前11時から1時間以上行われ、続いて午後2時からは市庁舎内で守る会の記者会見があった。その中で土屋時子代表代行は以下のようにコメントした。

「何とか努力して申請を受理して欲しい、と掛け合ったが受け入れてもらえなかった。全国的に見ても非常に恥ずかしいこと。平和都市、を謳いあげる市でそんなことが…、と他県の方からも電話で驚かれました。残念ですが訴訟を起こす手続きに入りたいと思います」

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